相続に関するトラブル

先日、相続に関するトラブルの研修に行ってまいりました。成田教子法律事務所 弁護士 竹野純一郎 氏より近年多いトラブルの事例を3つ上げてもらい詳しく説明していただきました。
 
トラブル事例
 
ケース1 遺産分割協議書をめぐるトラブル
 
父が亡くなって、3兄弟で相続することになった。法律に詳しいという長男が手続をしてくれることになった。長男からは、一度だけ連絡があり、印鑑証明と実印を用意して欲しいと言われ、何かの書類に実印を押した記憶があるものの、その後何も連絡がない。
 
 
ケース2 負の遺産を巡るトラブル
 
実家は、地方でおもちゃ屋を経営していた。おもちゃ屋自体は10年近く前に閉店したものの、取り壊しをしないままでいた。その後、父が他界し、昨年母も亡くなった。取り急ぎ、他の兄弟との間で分割協議が整わなかったので、市役所の固定資産税課に、私が代表して届け出をした。分割する対象は、地方の土地・建物の他、預貯金が約500万円。相続人は3人の兄弟だが、どのように分けるかで、もめている。
 
 
ケース3 予想外の相続人
 
弟が亡くなった。相続人は、兄である私と妹の2人であると考えていた。しかし、弟が亡くなった後戸籍をとってみると、離婚した元妻の連れ子が、弟の養子のままでいることが判明した。連れ子の子とは、20年近く連絡も取っておらず、今どこで何をしているかもわからない。兄弟で、弟の病院代や葬儀代、家を引き払うお金等を立て替えていた。遺産の中から清算しようと考えていたのに、困っている。
 
 
上記事例を基に、争いの原因とその解決策、争いになる前に予防する方法がないのかを説明していただきました。講習の感想としては、ケース1の場合は、相続人により一度作成した遺産分割協議書を後から覆すことは、なかなか難しいようです。そのため、実印を押すときには、書類の内容を改めて確認し記名・押印する必要がある事を改めて実感いたしました。ケース2の場合は、お亡くなりになった都度、相続登記等を実施していかないと相続人が増えるに当たり、トラブルがどんどん増えていってしまう危険性があり、相続トラブルを回避するには、相続登記を実施する重要性があることを認識しました。ケース3の場合は、離婚するにあたり、養子を養子離縁届の提出をしないと養子のままの状態にあり、元妻の連れ子に相続が発生してしまう危険性があるようです。上記事例のような不動産相続問題でお困りの方いらっしゃいましたら連絡等いただけましたら、随時相談させていただきます。